家族信託や不動産にまつわる疑問を解消
FAQ
実際にご質問をいただく頻度が高いご相談内容をピックアップし、スタッフからの回答と併せてまとめております。事前にお目通しいただくことで、問い合わせをするよりも前に疑問や不安が解消されることもございますので、ご相談前の参考資料としてお役立てください。家族信託に関連する内容を中心に、相続にまつわるさまざまなご質問に具体的なご説明をもって回答しております。
相続一般
- 何からすれば分からないのですが、相談することはできますか?
- 初回相談無料で承っていますので、お気軽にご相談下さい。説明から手続きまで丁寧にサポートいたします。
- 孫に遺産相続させられますか
- 孫が相続人になれるのは次の場合です。
① 被相続人の子が先に死亡している場合。この場合孫は亡くなった子の相続人の地位を代襲して相続人になります。
② 養子縁組をした場合。ただし、養子になれる人数には限りがあり、実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人までです。
③ 遺言がある場合。厳密には相続ではなく遺贈という形ですが遺産を承継できます。
- 相続に時効はありますか
- 相続する権利自体には時効はなく、例えば遺産分割を請求することは相続発生後、何年経っても可能です。但し相続に関わる手続きには相続放棄(3か月)などのように時効が定められているものもあり要注意です。
遺産整理業務
- 遺産分割はどのように進めるのでしょうか?
- 遺産分割協議を成立させるためには、全ての相続人の合意が不可欠です。問題がこじれてしまうと、解決が難しくなりますので、できるだけ早い段階で専門家に相談することをお勧めします。
遺言
- 遺言がない場合、遺産はどう分けるのか?
- 遺言がない場合、遺産は民法に基づき法定相続人に分配されます。配偶者と子どもがいる場合、配偶者が1/2、子どもたちが残りの1/2を均等に分けます。状況にも左右されるため、まずはお気軽にご相談ください。
家族信託
- 認知症になると不動産の売却が難しくなると聞きましたが、何か良い対策はないでしょうか?専門家に依頼する費用や裁判所への手続きが煩わしいため、成年後見制度は避けたいと考えています。
- 信頼できる家族を受託者に指定し、不動産の管理や処分を任せる「家族信託」という方法があります。これにより、認知症が発症した後でも、ご家族が代わりに不動産の売却や管理を行えるようになります。
- 家族信託は、認知症の方でも利用できるのでしょうか?
- 家族信託は、信託契約を結ぶことで効力を持つため、当事者には契約を結ぶための判断能力が求められます。したがって、すでに認知症を患っている方は契約を行うことができません。高齢者の場合、突然症状が変化することもよくあるため、「ちょっと不安だな」や「物忘れがひどくなってきた」と感じたら、早めに対策を講じることが大切です。
- 先祖代々の土地を、私が亡くなった後も私の血縁者に引き継いでもらいたいと考えています。長男には子供がいない一方、次男には子供がいます。まずは長男に土地を引き継がせたいのですが、長男が亡くなった際にその妻や親族に財産が渡る可能性があると聞きました。何か良い方法はありませんか?
- 受託者を次男の子(孫)にし、第一受益者を長男、第二受益者を次男、第三受益者を次男の子(孫)と設定した家族信託契約を結んでおくことで、長男の妻の親族に財産が流れるのを防げます。これにより、先祖代々の土地は長男から次男、さらに次男から孫へと引き継ぐことが可能になります。
- 障害を持つ子どもの将来について心配しています。子どもが自分で財産を管理できないため、私たち夫婦が亡くなった後に兄弟に世話をお願いすることはできるのでしょうか?
- 可能です。兄弟を受託者にして、ご夫婦の財産を信託する方法があります。ご夫婦が亡くなった後、兄弟はその財産から障害を持つ子どもの生活費や施設利用費を支出し、親に代わって子どもの生活を支えることができます。
- 信託契約は、公正証書にしなければならないのでしょうか?
- 信託契約は必ずしも公正証書でなくても、私文書で作成することが可能です。しかし、信託では受託者に委託者の財産を管理・運用・処分する重要な権限が与えられるため、手続きは慎重に行う必要があります。また、将来的なトラブルを避けるためにも、公証人による公正証書を作成することをお勧めします。
- 家族信託のデメリットはあるのでしょうか?
- 特にデメリットはありませんが、現在、金融機関の中には家族信託の認知度が低いところが多いという点が挙げられます。例えば、銀行で信託口座を開設したり、信託財産を担保に融資を受けたりする際に、対応に苦労することがあります。また、多くの証券会社が家族信託に対応していないため、上場株を信託財産に含めることは現時点では難しい状況です。ただし、これについては時間とともに改善されてきています。
- 住宅ローンが残っていても信託は可能でしょうか?
- 住宅ローンの抵当権が残っている住宅の場合でも、信託財産とすることは可能です。
ただし、存担保不動産の信託に関しては、現債権者とのコンセンサスは必須です。
金融機関に対して、信託は処分行為ではない旨を申し上げますが、同意していただけない場合は、借り換えで対応をしていただかざるを得ない場合もあります。
- 信託契約の内容を途中で変更することは可能でしょうか?
- もちろん、契約内容を変更することは可能です。
信託契約の内容は個々の信託条項で定められています。そして当事者が合意すれば条項を削除したり、加筆したりすることができます。また全く新たな条項をつけ加えることもできます。因みに条項の中には法務局に登記申請を行うことが必要な内容もあり、既に登記されたものについては司法書士への相談が必要になります。
- 信託契約後に受託者は贈与を行うことは可能でしょうか?
- 例えば、委託者と受益者が父親で、長男を受託者とする信託契約において、父親の財産を長男が勝手に孫に贈与することはできるのか、という事例を考えてみてください。
受託者が信託財産を管理・運用、場合によっては処分することができるのは、あくまで信託契約に基づき、受益者のためにそれらを行うことが大原則であるからです。
受託者である長男が、信託財産となった父親の財産を孫に贈与するという行為は、明らかに信託契約の本旨に悖るものですので行うことはできないと考えます。
- 受託者が死亡したらどうなるのでしょうか?
- 受託者が亡くなった場合、次に受託者となる人が指定されている場合は、その人が受託者の地位を引き継ぐことになります。受託者の地位は相続されることはないため、指定された人がいない場合は、新たな受託者を選ぶ必要がございます。
- 不動産を信託した場合、税金はかかるのでしょうか?
- 不動産を信託する場合には、形式的には名義が変更されることになるため登記免許税がかかります。ただし、贈与や売買のために名義を変更するときと比較すると必要となる登録免許税は低くなります。「流通税の節税」として家族信託が活用されるのはそのためです。他方、形式的な所有権移転に過ぎない為、「不動産取得税」や「譲渡所得税」はかかりません。
ただし、上記の説明は「委託者が受益者となる場合」です。「委託者と受益者が異なる場合」には結果が異なりますので、注意が必要です。詳細については、経験豊富な当事務所の専門家にご相談ください。
- 信託財産に制限はあるのでしょうか?
- 信託財産の財産額には上限はありません。また、財産の種類に関しても不動産や預貯金、有価証券のみにとどまらず、債権やペットなどの動産も含めることが可能です。信託銀行の商事信託を活用する場合には、預金債権や保険商品に限られていますので、より自由で想いを反映させることのできる制度であると言えます。
- 信託財産を譲渡した際の利益は誰に課税されるのでしょうか?
- 家族信託の基本の考え方は、信託財産で課税をされるのは受益者です。
受託者はあくまで財産の管理や処分をする権利のみを持つため、財産の実質的な財産権は受益者に残ります。